君が見せてくれた、私の世界

黄昏時

「……あれ…。」



目が覚めると、高くて白い天井が視界いっぱいに広がった。


ここ…家じゃない。


消毒液特有の香りと、雫が垂れる一定の音が聞こえてきて…ここが病院で、今点滴を受けてるんだと、私の頭は機械的に理解した。



「そよ?起きたの?」


「ママ……?」



花瓶を片手にママが病室に入ってくる。


あれ…。


私、さっきまで2人と水族館にいたはずなのに……。



「今、先生呼ぶわね。」



枕元のナースコールを押して、私が目を覚ましたことを伝えると。


優しく私の手を握った。



「…ママ…縁寿、ちゃんは…?
紗綾ちゃんは…?」


「2人ならもう帰ったわ。
また明日、お見舞いに来てくれるそうよ。」


「……そっ、か…。」



最後まで回れなかった…。


午後からは、アシカショーとイルカショー見るって決めてたのに…。


涙が溢れてきそうになる頃、担当医の先生が入ってきた。




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