君が見せてくれた、私の世界
「楽しみね。
そよは日本の花火は初めてだもん。」


「すごく綺麗だよ。」




パパが車椅子を押してくれて、3人で近くの海まで向かう。


たくさんの縁日が出たり、海で打ち上げられる水上花火はこの街で1番大きなお祭りなんだって。


水上花火を見るために、わざわざ県外からも観光客が来たりするらしい。



「ーーあらぁ、想世架ちゃん。
退院したの?おめでとう。」


「あ、ありがとうございます…。」


「ここの花火は有名なのよ〜。
楽しんでいらっしゃいね。」



すれ違った近所のおばさんに、そう声をかけられて笑って返した。


この街の人は優しい。


私が1人で買い物に行ったりすると、よく声をかけたり助けてくれる。



「そうだわ、そよ。
その膝掛けとてもいいでしょう?」


「うん。
ちょっと冷たい…。」



今日、ママがかけてくれた膝掛けはいつも使ってるやつと違う。


浴衣に合わせて、淡い和風な花柄でほんのり冷たい。




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