クールな御曹司の一途な独占欲





そしてこれが今の本部長。





プルルル プルルル



チンチンチーン!

「ちょっと香坂さん香坂さん、はやく来て。内線がきてるんだよ。どうしよう営業部長かな、苦手なんだよな僕より20も年上だしさぁ、出たくないなぁ」


本部長は小さな呼び鈴をこれでもかというほど鳴らして私を呼びつけると、目の前で鳴っている内線に出ようともせず耳を塞いでいる。

いつものことだけど、私は一度ため息をついてから代わりに受話器を取った。


「はい、本部長席、秘書の香坂です」

『・・・受付の松島ですけど、あれぇ?本部長さんお留守ですか?』

「留守です」


ド低い営業部長の声を予想していたのに、受話器から聴こえてきた甘ったるい声にゲンナリとした。

受付の松島さんというのは、エントランスにいる美人受付二人のうちのポニーテールの方。


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