君の瞳にわたしが映っても(完)


「で?どうしたの、話って?」


美希はブラックコーヒーをすすりながら眉を上げた。


「それがさ…」


わたしはモンブランを口に含んで、抹茶にしとけば良かったと甘さに顔をしかめながら言った。


「全部、美希には話そうかなって思って…」


カフェの中は騒がしいはずなのに、わたし達だけ別の空間にいるよう
な気がした。


美希はコップを置くと息を吸った。


「この前の件、絶対ただのナンパじゃないって思ったよ?おかしいもん、あんな怪我。それに、相川が言ってたよ?玲が普通じゃなかったって。」


「うん…本当は、誰にも話したくなかった。嫌われるって思ってたから。」


「玲。」美希は目を細めて、小さく微笑んだ、「わたしは、あんたのこと嫌いにならないよ?だって、親友でしょう?」


わたしも微笑み返した、「そうだね。」

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