【短編】空っぽのプール


「これでもって…なに?私はちゃんと受験生みたいなことしてるよ。してないの新屋だけなんじゃない?一緒にしないで」


バカ正直に話す新屋と同じくらい正直に反論する私は、今日の雲ひとつない真っ青な空と同じくらい清々しいと思う。



「うっわ〜なんだその見下したような目は」


「気のせい気のせい」


どっちかっていうと、私より少し背の高い新屋の方が私のことを見下して見えるのに。


アイロンがかけられてない白シャツの裾を片っぽだらしなくズボンから出してる格好の彼。



『出席番号が隣』


私たちはただそれだけのクラスメイト。


学校集会や式典で整列するとき、

テスト期間の席順、


そんなときだけ隣。



そして今日は特別。



夏休み中にプール掃除を任された。




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