【短編】空っぽのプール
「いぇーーい!」
「ちょっと、新屋!」
バカみたいに大きな声を出した新屋は、私が水をかけてるところに走って来て、すぐにびちょ濡れになった。
こうなってしまったら、ズボンの裾を曲げたのも、靴下を脱いだのも、彼にとっては意味がなかった行為だったと思う。
「遊ばないで」
それだけ言ってから、私は水が出しっ放しになったままのホースを置いてから、ブラシで下を擦る。
こういう作業、結構好きだったりする。
薄汚れたタイルがだんだんと本来の色を取り戻していく感じ。