彼の笑顔に出逢いたい
めぐから寝る間際に『ちょっとだけ行っていい?』とLINEが入る。


疲れていたけど片桐先輩の話だと思いOKの返事を返すと、めぐはすぐにやってきた。


「やっぱり…そうだったんだね。おめでとう、めぐ。」

「もしかして…気づいてた?」

「う、ん。何となくだけど、昨日の途中からいい雰囲気に見えたから。」

「そっか…。私ね…実は高校の時から先輩の事が好きだったの。」


やっぱりそうだったのかと話を聞く。


「だけど、東京の大学に行くって知ってたから告白は出来なかった。片思いからはもう卒業したつもりでいたけど、久々に会ってまた気持ちが戻っちゃったんだよね。っていうか、最初から忘れてなかったのかも。」

「そうだったんだ。でも、うまくいって本当に良かったね、めぐ。」

「うん、ありがとう。私、今すごく幸せだよ。」


そう言って微笑んだめぐの笑顔はすごく綺麗で、すごく可愛くていつもの何倍も輝いて見えた。


恋をしてた高校の友人たちもみんなそうだった。


私はいつもそんな彼女たちを羨望の眼差しで見ていた。


まだ本当の恋を知らない私にも、いつかは彼女たちのように恋をして輝ける日がくるのだろうか……
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