イジワル上司の甘い毒牙

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「久しぶりだね!千枝。元気してた?」

「まあまあ」


家から歩いて十五分ほどの、駅の近くの喫茶店。

高校を卒業してから顔を合わせていなかった友人の、高校時代からは想像もつかない化け具合に私へ目を細めた。


「……そんな顔だったっけ?」

「あはは、化粧の力は強いからね。ていうか、そう言う千枝は変わんないねー」


なるほど、化粧っ気のなかった高校生の時から会っていなければ、雰囲気が変わっているのも頷ける。

さりげなく、私が二十歳後半に突入しようとしているのに、未だに垢抜けていないことを指摘されてしまったけど、聞こえなかったふりをした。

穏やかな微笑みをたたえる店員さんに案内され席に着いて、改めて友人の顔を見る。

何も知らずに初めまして、と言われたら、まず私は本当に初対面の人だと思い込んでしまうだろう。

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