繋がる〜月の石の奇跡〜
九章
次の日の朝、えみたち三人は関谷の車で家へと向かった。

いつもと違う様子のえみを気にしながら、あずさは車内で明るく話しをする。

えみは沈んだ気持ちを表に出さないように、出来るだけいつも通りにしていた。



「関谷くん、あの‥井上くんのアパートの前で降ろしてもらってもいい?」

家に近付いてきたとき、えみは関谷に話し掛ける。

「うん。分かった。」

ルームミラーでえみの様子を見ながら優しく答えた。

「ありがとう。」

井上のアパートに近付くにつれて、えみは緊張感で埋め尽くされていく。

『どうしよう。ドキドキする。』
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