会長代行、貴方の心を全部わたしにください
episode 15ー
夕方から雨模様になった。
朝からずっと晴れていたので、傘を持ってきていないのにと、憂鬱な気持ちだ。
更衣室に置き傘はあるものの、あいにくと折り畳み傘だ。
もう少し小降りになってくれないかなと、窓の外を観る。
視線の先に会長代行の背中が見えた。
「これは止みそうにないな」
会長代行の呟きは折り畳み傘しか置いていない、わたしを一層不安にさせた。
「芹沢、机の上を片付けて帰る用意を。間もなく定時だ」
「あっ……はい」
「雨あしが強くなってきている。折り畳み傘では心もとないだろう」
わたしはもう1度、窓の外を観た。
「芹沢、差し支えがなければ送っていこう」
「えっ!? いえ……」
送ってもらうのは申し訳ないと、慌てて言う。
「ん!? 傘は持っているか?」
「いえ、傘は持ってないです。折り畳み傘も」
つい、口に出しシマッタと思った。
朝からずっと晴れていたので、傘を持ってきていないのにと、憂鬱な気持ちだ。
更衣室に置き傘はあるものの、あいにくと折り畳み傘だ。
もう少し小降りになってくれないかなと、窓の外を観る。
視線の先に会長代行の背中が見えた。
「これは止みそうにないな」
会長代行の呟きは折り畳み傘しか置いていない、わたしを一層不安にさせた。
「芹沢、机の上を片付けて帰る用意を。間もなく定時だ」
「あっ……はい」
「雨あしが強くなってきている。折り畳み傘では心もとないだろう」
わたしはもう1度、窓の外を観た。
「芹沢、差し支えがなければ送っていこう」
「えっ!? いえ……」
送ってもらうのは申し訳ないと、慌てて言う。
「ん!? 傘は持っているか?」
「いえ、傘は持ってないです。折り畳み傘も」
つい、口に出しシマッタと思った。