会長代行、貴方の心を全部わたしにください
「ん!?……」

「秘書室内の噂で近々、重役人事が動くという話を聞いたんですが、それは会長代行にも関係があるんでしょうか」

会長代行の瞳がわたしを捉えて離さない。

「どういう内容だか知らないが、俺は会長からも総代からも何も聞いていない。まあ、何か聞いているにしても話すわけにはいかないが」

「午後からのスケジュールを調整してまで総代との時間を作られるのは、大事な」

「芹沢、君には必要なことは全て話している」

「でも、今日の会長代行はいつもより表情が硬いです」

「そうだな。総代から改まって時間を開けておけと言われては、緊張していても仕方なかろう」

どこか投げやりな会長代行の言葉と表情は、違和感でしかなく、会長代行の瞳から目が離せない。

「芹沢。人事のことは意図的に流されたものだろう。会長も総代もワンマンでやってきたぶん、煙たがっている輩もいるのだろう」
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