【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



今にも泣き出しそうな声で、彼方は呟く。


「柚月は一緒にいるよって言ってくれるけど、柚月が思ってる『一緒』と、俺の『一緒』は違う……から」

「え、違うってどういう……」

「柚月っ」

「ひぇっ!?」


急に腕を引っ張られ、彼方に強く抱き締められる。


ん、んんんん!?

これはいったいどういう状況!?


「もう、堪えられないよ……柚月っ」

「ちょ、ちょっと彼方!?」

「柚月が傍にいてくれればそれで良いって思ってた……でもっ」

「いったいどうしたの? なにかあったの?」

「……ごめんね、柚月。ごめん」

「何で謝るの?」

「……全部、俺のわがままだから……実はね、その……日誌も、わざと書かなかったんだ」

「え……?」


わざと、書かなかった?

何でそんなことを?


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