【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
▽「柚月がいないと、寂しい……からっ」
……──それはまだ、彼方が絶賛無気力中だった、二年生になりたての頃のことだ。
みんな必ずどこかの委員会に入らなければいけないので、さてどこに入ろうかと私は頭をうならせた。
問題は彼方だ。
「……どこにも、入りたくない、です」
「だから、どこかに入らなきゃいけないんだってば!」
「……すぅ」
「寝ないの!!」
さっきからずっとこの調子で、他の子はどんどん入る所を決めていっている。
「もう、どうするの彼方!」
「……どうでもいい」
「どうでもいいって……もう」
まったく世話の焼ける幼馴染みだ。
仕方ない、こうなったら……
「よし、文化祭実行委員になろう、彼方」