【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
▽ 「そんな嘘の笑顔、しちゃダメだよ」
気付けば、文化祭は明日というところまで迫っていた。
「テーブルと椅子の配置はこんなところだな。次はテーブルクロスとその他飾り付けだ。飾り付けの方は前に話し合ったとおりに──」
真ん中でテキパキとみんなに指示を出しているのは鬼龍院くんだ。
文化祭実行委員としての仕事はほとんど終わり、今日は鬼龍院くんの指示に従ってみんなと一緒に喫茶店の準備を進めていく。
「さすがに今日は……忙しい、わよね。そうよね」
「あ、セレナちゃん!」
気付くと、セレナちゃんが喫茶店の準備をしている教室の中を覗きこんでいた。
私が声をかけると、ちょっとだけ気まずそうな顔をした。