【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
▽「おやすみ、柚月」
「柚月ちゃん、今晩はカレーなんだけど、確かカレー好きだったわよね?」
「はい! カレー大好きです!」
「いやぁ、こうして見ると本当に柚月ちゃん大きくなったなぁ!」
なんて言いながら、彼方のお父さんがビールをグイッと飲んでいる。
そして今私の目の前にあるのは、とても美味しそうなカレーだ。
お腹がすいてるからか、このカレーの匂いが本当にたまらない。
「おかわりもあるから、たくさん食べてね」
「本当にありがとうございます。じゃあ、いただきます」
私が手を合わせると、続いて隣に座っている彼方も「いただきます」と言って、私たちは二人でカレーを食べ始めた。
……さて、鍵を家の中に忘れてしまった私。
お母さんは仕事でかなり遅くなると言っていたし、しかもお父さんは出張中。
そのことを彼方に説明すると「とりあえず、うちにおいでよ」と誘われ、今はこうして彼方の家で晩ご飯をいただいているというわけだ。