【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「鬼龍院くんのことは、尊敬してる。クラスメイトとして、尊敬してる」
「…………尊敬、か」
鬼龍院くんのことを知ったときから、私は鬼龍院くんのことを尊敬していた。
「他人の才能をちゃんと認められる鬼龍院くんを、私は尊敬してる。私はそれができなくて、彼方と自分を比べてっていうのがいつもだったから……」
鬼龍院くんは、私の自慢の、クラスメイトなんだ。
「この尊敬と、鬼龍院くんが私を想ってくれてる気持ちとは違うから……ごめん、なさいっ」
「顔をあげてくれ、近衛クン」
言われたとおり、ゆっくりと顔を上げる。
そこにはまだ、優しい微笑みを浮かべている鬼龍院くんがいて……
「一ついいかい近衛クン? 君は人を拒絶できないと言っていたが、だから僕にも、今までハッキリとした返事ができなかった……この僕の考えはあってるかな?」
私はそっと、頷いた。
「今までうやむやにしてごめんね、鬼龍院くん。でももうちゃんと、そんな鬼龍院くんの気持ちにちゃんと答えれるように、自分自身と向き合うって決めたから」
「……そうか。ということは、本当に僕はフラれてしまったんだな」
悲しそうに顔を伏せる鬼龍院くん。
私は次にどう言葉をかけていいか分からずに、視線だけが宙をさ迷う。
すると鬼龍院くんは、おもむろにその顔を上げて……