【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「鬼龍院くんのことは、尊敬してる。クラスメイトとして、尊敬してる」

「…………尊敬、か」


鬼龍院くんのことを知ったときから、私は鬼龍院くんのことを尊敬していた。


「他人の才能をちゃんと認められる鬼龍院くんを、私は尊敬してる。私はそれができなくて、彼方と自分を比べてっていうのがいつもだったから……」


鬼龍院くんは、私の自慢の、クラスメイトなんだ。


「この尊敬と、鬼龍院くんが私を想ってくれてる気持ちとは違うから……ごめん、なさいっ」

「顔をあげてくれ、近衛クン」


言われたとおり、ゆっくりと顔を上げる。

そこにはまだ、優しい微笑みを浮かべている鬼龍院くんがいて……


「一ついいかい近衛クン? 君は人を拒絶できないと言っていたが、だから僕にも、今までハッキリとした返事ができなかった……この僕の考えはあってるかな?」


私はそっと、頷いた。


「今までうやむやにしてごめんね、鬼龍院くん。でももうちゃんと、そんな鬼龍院くんの気持ちにちゃんと答えれるように、自分自身と向き合うって決めたから」

「……そうか。ということは、本当に僕はフラれてしまったんだな」


悲しそうに顔を伏せる鬼龍院くん。

私は次にどう言葉をかけていいか分からずに、視線だけが宙をさ迷う。


すると鬼龍院くんは、おもむろにその顔を上げて……


< 300 / 416 >

この作品をシェア

pagetop