こっち向いて笑って、先輩!





「5組全員で1つ。1人でも欠けちゃ力は発揮できないって、そういう意味を込めて考えたんです」


先輩の連絡先をもらったという最高のプレゼントにまだまだ全然胸の高鳴りが収まりそうにない中、自然と口が動く。


まだ全て塗りきれていない旗を見つめながら。


先輩の言葉があんまりうれしくて、ポロポロと思ってることが口から出てきて止まらない。


「でも……欠けちゃってるのは私だけな気がして、このクラスにいてもいなくても変わらないんじゃないかって……舞い上がりすぎなんですかね」


「……」


「はっ!す、すみません!ベラベラと!」


何も言わない先輩に慌てて謝ってから、旗を塗る筆を動かす。


まったく、ちょっと優しくされたらすぐ調子に乗ってベラベラしゃべっちゃうんだから。私のバカ。


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