こっち向いて笑って、先輩!


「私は、結構いい感じだと思うよ。桃と如月先輩」


「えっ!ほ、ほ、本当?」


本当のことと必要最低限なこと以外あまり言わないみっちゃんからそんなことを言われたら……!


「うん。だって、華麗にスルーされてたあの桃が、今や先輩の方から話すきっかけ作ってきてくれてるじゃん」


「はっ!やっぱり?!私、ちゃんとお近づきになれてるよね?!まずは友達申請してみようかな!」


「友達申請って……でもまぁ、どういう反応するのか気になるかも」


みっちゃんはそういって、ほかの下着と比べて布の面積が明らかに少ない下着を手に取ってから「桃、これとか」なんて真顔で冗談を言ってきた。


「そんなの持ち物検査に引っかかりそうだよ」


「ハハッ、そうかも」


少し前までは、みっちゃんがいなきゃ不安なことばっかりだったけど。
前の私だったら絶対「みっちゃんと行きたい」なんて駄々こねてたかも。


ちょっとは、成長してるのかな。私。


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