こっち向いて笑って、先輩!





「本日はこれで解散になりますが、帰るまでが合宿です。寄り道して事件に巻き込まれたりしないようにまっすぐ帰ってください」


合宿のバスが学校について、体育館で合同合宿の閉会式を終えると、時刻は5時半を過ぎていた。


みんな疲れたと声をもらしながら体育館を出て、帰って行く。


「桃ちゃん、今度遊ぼうね!」


晴美先輩はそう言って私に手を振ってから、葉先輩と体育館を出た。


「手、お大事に」


川越先輩も静かにそう言ってから人混みの中へと消えていった。


私もそろそろ帰ろう、そう思って体育館入り口の玄関へと足を向けたとき、


「来原っ」


後ろから声をかけられた。


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