どんな君でも愛してる。
運良く剣道部が休みだった祐信もつれて、俺ら6人で行きつけのカフェに行った。
「えーと…キャラメルフラッペとってりんごのタルト1つ下さい!」
「俺はコーヒーで」
「ストロベリーフラッペとショートケーキあと、シュークリーム2つでええかな。」
「レモングラスの紅茶をホットで1つお願い。」
「カフェモカとチョコレートケーキ」
以外とスムーズに終わった注文。
俺らはテラスの席をとることができ、もう散り始め終わりへと向かう桜を近くで見ていた。
「桜、とっても綺麗…!!」
舞落ちていく桜の花びらを1つ、真冬が手に取った。
「アメリカに桜はないんか?」
「あるよ。どこかの州には、並木道が作られるって報道されてたけどー、こんな綺麗なもんじゃなかった!」
アメリカに住んでいたわりには、日本語がぺらぺらなんだなぁ…
親が日本人なんだっけ…
「まるのご両親は日本に来てるの?」
「ううん。わがまま言って、あたしだけ日本に来たの。」
「じゃぁ1人暮しなのかしら??」
「ううん。ひとりじゃないよ。」
誰と暮らしているのか、莉菜が訪ねようとしたところに、注文したものが届く。
俺はコーヒー
真冬はキャラメルフラッペとりんごのタルト
祐信はカフェモカとチョコレートケーキ
千暖はストロベリーフラッペとショートケーキとシュークリーム
莉菜はレモングラス。
「すごい美味しそー!!」
食べる前から幸せそうな真冬。
こいつがいると、みんな笑顔になる。
千暖も、莉菜も、祐信も。
…どうやったら、こんな純粋なやつに育つんだろう。
真冬は何の苦労もしてこなかったような気がして、少し羨ましくなった。