私と結婚してください。



それから数日して、私は速水に呼び出された。
もちろん、凰成付きだけどね。

とりあえず話は聞かないみたいで、ちょっと離れたところで竜司くんたちと待っている。


「で、なに?」


早く、早く言ってくれ。
遅くなればなるほど、凰成の機嫌が悪化していくんだから。


「あの、さ……俺、椎依ちゃんじゃなくて
……高梨のこと好きなんだよね」


・・・すき、好き?スキ。


「・・・えぇ!?」


「だから、その…」


「あ、ごめん。」


「え!?」


告白、というものを初めてされ、すごく驚いた。けど……
私の心はすごく冷静だ。

考えなくても答えなんか決まっている。


「私、彼氏作れないんだよね。
彼氏作るとあいつの姫解約されちゃうからさ」


「……高梨は、あいつの世話役でいいってこと?」


眉をひそめて心配そうに聞く速水に


「うん。」


悩むこともなく、笑顔で答えた。
もう私の心は決めていた。

私は、神楽の姫として学園は卒業する、って。


「……あいつこと、好き?」


「はは、わかんない。私、恋愛とかしたことないし。
……でも、今はあいつのために頑張ろって思ってる。

あいつの隣には私がいたい。」


この感情が恋なのか?それはわからない。知ろうとも思わない。
今、あいつのそばにいられるなら、なんだっていいよ。


「……そか、わかった。
呼び出してごめんな。」


「ううん、いいよ。
またみんなで遊ぼうね

凰成つきだけど。」


「おう。しかたねぇからあいつとも仲良くしてやるか。」


「うん、そうしてよ。
あの人たち友達全然いないみたいだし。

……そろそろ行くね。」


「おう、じゃーな」


「うん、またねー」



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