私と結婚してください。



「……ね、私が姫でよかった?」


離れたタイミングでそんなことを聞いてみる。
凰成は私の質問にフッと優しく笑い、


「騙されやすいしうるせぇし頭は悪いしおしゃれでもねぇし女らしさもねぇし」


私に言葉というナイフをグサグサ刺してくる。
も…、ほんとひどいんだから……


「でも、俺は希依が来てから毎日楽しい。
知らないことも知って、初めての経験をして、なにより
俺、誰かと言い合いなんてしてこなかったから、こうやって本音言って笑えるのが新鮮。

たまに痛いとこついてくるけど、でも
何にも包まれてない言葉投げつけてくるくせに許せるのは希依だから、だろうな。」


━━━凰成……


「希依が姫でよかった、ってよりも
俺の姫は希依しかダメなんだなって思わされる。

伊織と頼みたいな関係もいいな、って思ってたけど
こうやって、上下関係がないパートナーの方が俺にはあってたんだなって思う。

だから、いつもありがとな」


「……ふふ、凰成らしくない」


「うるせぇよ」


でも、そういう私だけに見せる優しさが私の胸を高鳴らせる。
もうね、ずっとずっと凰成の隣には私がいたいって
凰成のお世話は私がしたいって

私も本気で思ってるからね。


「……こちらこそ、いつもありがと」


「おう」



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