私と結婚してください。
みんな揃ったところで、ゾロゾロと学園を出た。
今日は駅までも歩き。本当感動。
歩いて駅まで行って電車で遊園地なんて、前回がなんか遥か昔の出来事みたい。
去年もめぐたちと行ったのにな。
「ね、凰成も遊園地って初めて?」
「いや、俺はあるよ」
「あれ、そうなんだ」
伊織くんも竜司くんもないのに?
なんか珍しいパターンだな。
「人多いだろうし、迷子になるなよ?」
「ならないよ!!
…ってかそれ、伊織くんに言ってあげなよ」
「いや伊織には頼がいるから」
「なるほど」
そうでした。
めちゃくちゃ頼りになる相棒がいましたね。
「頼くんいたら本当困らないよなぁ。
いいなぁ」
私にも頼くんいたらいいのに。
一家に一台!みたいな量産型でさ。
「…っ、なにっ」
のんきなことを考えていたら、急に凰成が私の手を握ってきた。
「お前には俺かいんだから、頼はいらねぇだろ」
…え、なにそれ。
もしかしてまた嫉妬ですか?
本当、顔に似合わず可愛いんだから。
「…ふふ、そういう意味じゃないのに」
「は?だったらなんなんだよ」
「凰成だって、頼くんがいたら困らなかったのに、わざわざ私を捕まえてくれたんだよね。
ありがと!」
「はぁ?意味わかんね」
あの日、私のくだらない発言を気に入ってくれたのか、なんなのかわからないけど
あの日、凰成に声をかけてよかったな。
あれがなかったら
凰成や、みんなと出会うことなんか、なかったんだもんな。
「…ふふ」
なんか嬉しくなっちゃって
私は握ってくれた凰成の手を、強く握り返した。
「なんだよ」
「ん?幸せだなぁって」
「…あっそ」
「もう、冷たいなぁ」
幸せで、幸せすぎて凰成の顔ばかりみてたけど
凰成は前を向いてしまって
…だけど、凰成はまた私の方をみて、前を指差した。
「ん?」
よくわかんないけど、指差した方を見ると
なんだか、前を歩くめぐと竜司くんがすごく楽しそうに話していた。
というか、竜司くんがなんかめぐをからかってるみたいで。
「…そういえばこの二人、あれから進展あったの?」
「さぁ?俺は聞いてねぇ。
希依が聞けよ」
一番後ろを歩く私たちは聞こえないようにこそこそとそんな話をしながら、駅に向かった。