私と結婚してください。
伊織くんはすぐに車を呼んでくれて
今日も安定のリムジンで頼くんの家へと向かう。
「頼くんの家ってやっぱり厳しいの?」
「厳しいなー
でも思いやりはあると思う。
厳しいけど、全部頼のため。だから頼も反抗したりはしてなかった。
まぁ無断で出かけてたりはしてたけど、それは俺のせいでもあるし」
「…そっか」
頼くんのために厳しくしてきた、か…
ちょっと凰成の家を似てるな…
「ちなみにだけど、伊織くんちも厳しい?」
「俺んちはどうだろ。
俺の親父は俺が医者になるならそれでオッケー!みたいな。
ただそれを俺が受け入れてるからいいけど、俺が医者にはならないって言ったらたぶんケンカばっかだと思うよ」
「え、伊織くん医者になるの?」
「いや、普通そうじゃん?
医者の子供は医者になる方程式がもう出来上がってんの」
「……そか。
じゃあ凰成も、お父さんの会社継ぐの?」
「俺はどうだろな。前は絶対無理だと思ってたけど
でも今はそれもいいなと思ってる」
「あ、そうなんだ」
なにか、心の変化があったのかな?
リゾート開発か。
まぁ、昨日の遊園地もすごく楽しかったし、いい仕事だよなぁ。
ああやって、多くの人を楽しくさせるところを作るなんてさ。
「希依ちゃん、ここが頼んちだよ」
「ここ?」
外を見ると、ずーっと続く日本式の塀が続いていた。
凰成んちもだいぶだけど、頼くんちもだいぶ大きなお屋敷だ…
「……なんか、緊張してきた」
「そんな固くなんなって。
頼んち親父さんて厳しいけど、俺は優しいところもいっぱい知ってる。
誠意もって話せばきっとわかってくれるよ」
「…そう、だね」
「ってかまずいるかわかんねぇだろ」
「あ!ってかとりあえず電話はすればよかった!」
「確かに…でも超いまさら…」
あーだこーだ話してると、車は止まった。
もう、あとには引けないよ。