私と結婚してください。



「でも先生、俺らはいいけど
俺ら以外の神楽のやつらの成績はどうなんの?
あいつらなんの協力もなかったけど」

「いや、そんなことはねぇよ。
お前らは御縁を取り戻すために動いてたけど、ほかのやつらは生徒会長とか、俺じゃないけど学年主任とか、教頭とか
いろんな人の説得をしていたしな」

「へぇ、そうだったのか」

「ってかこれ、俺の親父も知ってたってことか」

「当たり前だろ。吉良のご両親は神楽出身だからな。
しっかりこの授業も受けてるよ。

あ、ちなみに御縁のケガを利用して始めようと言ったのは瀬戸のお父さんだからな」

「え!まじかよ!ったく…まじで超心配したし!!」

「本当はもう少し早くやるつもりだったんだけど、なかなか機会がなくてなー
それで、御縁のケガでもいいからきっかけがほしくて。

悪かったな、御縁」

「いえ、私はとくに…」

「さ、お前ら
学校に戻るぞー」


…なんか、すごい数日間だったな。
濃かった。

でもなんか、みんなが私を大事にしてくれてるのがすごく伝わったから
これはこれで、よかったな。


「頼」


帰ろうと部屋を出る私たちを見送るため外に出ようとした頼くんを、お父さんが止めた。


「無断外出の件だけどな、やっぱり無断はダメだ」

「…はい」

「でも、ちゃんと連絡するなら
車なしで出かけてもいいから」

「えっ…?」

「だた、それを伊織んちが許すかは別問題だけどな」


…あれ?
さっきまで伊織くんって呼んでたのに…
伊織呼びになってる…


「俺んちなら余裕だし!」

「それと
お前も彼女を作るなら希依さんみたいな子、ちゃんと捕まえておけよ」

「なっ…!」


あ、頼くん照れてる。
なかなかああいう表情しないから珍しいや。


「おじさん
希依は俺の彼女だから!」

「はは、そうか。
凰成はいい子捕まえたな~」

「当たり前」


あれ、なんか…
みんな仲いいな…

凰成のことも呼び捨て…


…そっか。
普段はこういう感じなんだ


「希依さん」

「ん?なに?頼くん」

「…本当に、ありがとうございました」

「はは、それは伊織くんに言ってあげなよ。
本当に心配してたから」

「…はい。
それと、伊織様のお世話も、よろしくお願いします」

「うん、それはもちろん!」


それだけ言って、私たちはお屋敷を出た。
ちゃっかり先生まで伊織くんちの車に乗って、みんな一緒に学園へと戻ることにした。


「そうだ。
お前らはもういいけど、ほかのやつらはまだ終わってないから
神楽解体の話、ちゃんと続けてくれよ?」

「はいはい」

「ってか神楽解体とか趣味悪すぎ」

「いや一応発案、瀬戸さんだから」

「うわ、親父趣味悪すぎ!!」


< 349 / 419 >

この作品をシェア

pagetop