私と結婚してください。



「それからしばらくして、その男はここでプロポーズしたんだよ。
私と結婚してください、ってな」

「え、私と一緒の言葉だ」

「そ。
その時の指輪の裏にはさ、belovedって彫られてて」

「え?あれそれこの指輪にも…」

たしか、裏に彫られてたよね…?


「あぁ、なんだ見たのか。
じゃあもしかしてそっちのプレートのやつも気づいてた?」

「あ、うん…さっき頼くんに…」


聞いてしまいました、はい…
聞くなって言われてたのに…


「……だったら話は早いな」

「え?」

「父さんだったんだ。
ここで、一目惚れした相手に告って、プロポーズしたのも。
俺をその話を、小さいころ母さんから聞いた。
すっげぇガキの頃で記憶は曖昧だけど、それだけははっきり覚えてる。

だから、希依がここで俺に”私と結婚してください”って言ったから、俺は希依を姫にしたんだよ。

こんな偶然あるか?って思って」

「そう、だったんだ」


まさか、お父様と同じ言葉を選んでるとは…
場所も同じだし…


「プロポーズしたとき、母さんに渡したのがその指輪だった」

「え、あ…」


これ、だよね…


「その指輪、神楽の指輪とケンカしないように、神楽の指輪と相性よく作らせたんだと」

「え、そうなの?
だから2個ついてても全然邪魔にもならず、違和感もないのか」


納得納得。
すごい相性いいよ、これ。

センスいいなぁ。


「……これだけ言っても気づかないとか、本当鈍いよな」

「は?」


え、なんなんだ、急に



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