私と結婚してください。



卒業まで、とにかく忙しい日々が続いたけど
私たちは無事、卒業式当日に婚姻届けを出しに行った。


「はい、受理いたします。
おめでとうございます」


これで、私は正式に吉良希依となった。


「なんかさ、吉良希依(きらきい)って言いにくいよね」

「俺それずっと思ってた」

「まぁ仕方ないか」


私の指には、ついに神楽の指輪が外された。
あれは神楽の間だけしかつけられないものだということで、婚約指輪だけになった。


「さて、とりあえず…どうする?」

「とりあえず実家に荷物置きに行かなきゃでしょ!」


寮とも、今日でサヨナラだ。


神楽には1年しかいなかったけど、なんか毎日がすっごい濃かったから
あの部屋から出るのは寂しくて仕方なかったけど…
もう、来年の子のために部屋をクリーニングしなきゃいけないということですぐに出ることに。


「じゃあとりあえず希依んち行って、そのあとは新居見に行く?」

「だね。
そのあと着替えて、みんなでご飯だね!」

「だな」


卒業式だった今日は、このあと竜司くん、めぐ、伊織くん、頼くんとお昼ご飯を食べに行く。
結局神楽の他の人とは一回も話すことなく終わった。

ま、別に仲良くなりたかったわけじゃないからいいんだけど。


夜は夜で、家族でご飯を食べに行くし、本当に忙しい1日…

卒業式あって、荷物全部持って車に詰め込んで
役所で婚姻届け出して荷物片づけてお昼ご飯いって、夜は実家…

めちゃくちゃハード…


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