もう一度、あの恋を。
中1 秋

___夏休みと中間テストが終わった10月。


今は11月末にある合唱コンクールに向けて朝や昼休み、音楽の授業中、放課後を使って練習で忙しい。


私はピアノを習っているということで、伴奏を任された。


でも、私は伴奏をやったことがないし、家族の前でさえいつも緊張するのに、学校の人達の前でピアノを弾くなんて、想像もつかなくて正直、重荷でしかなかった。


断ることが出来ず、私は自由曲の伴奏者になった。


練習ではミスしまくりで、みんなの冷たい目が怖かった。


みんなはそんなつもりはないのかもしれないけど、私には冷たいとしか感じれなかった。


練習後はいつも、誰とも話さず1人で教室に帰って、怯えていた。


でも、みんなは私と話しても、絶対に伴奏の話はしない。


触れられたくないって気づいているんだろう。


今思えば、私が触れてほしくないってわかりやすく顔に出てたんだろうな…。


本当に優しい人たちだ。


いつも鋭い朱音も、


「緊張するのは当たり前。ちゃんと練習してるのにできないのは仕方ない。もっと練習すればいいの。緊張しない練習もみんなで合わせるときすればいいんだよ。気にしたって仕方ないでしょ?」


って勇気付けてくれる。


よく心に刺さるけど(笑)


でも、その言葉がとてもとても救われる。


練習不足だ。って決めつけられるんじゃなくて、緊張してる。っていうのを認めてくれる。


それがとても嬉しかった。
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