愛すべき、藤井。


「真っ赤」

「やー、見ないで!!」


さっきの仕返しと言わんばかりに、赤く染まった私をバカにする藤井は、やっぱり優しく笑って私を見つめる。


最近、何度その笑顔に弱いんだよね、私。



安心する藤井の匂いも、

見慣れた制服姿も、


別にイケメンって訳じゃないのに、笑った顔が可愛いちょっと得な顔も、


その愛嬌と人柄で、後輩からの人気バツグンなところも、


いつも真っ直ぐで、


ドがつく鈍感で、



どこまでも限りなくアホで、




「…………絢斗」

「……っ」


どうしようもない藤井。


だけど、それが藤井だから。



「……鼻水、垂れてるよ」

「……は!?ちょ、今度は鼻水かよっ」

「いや、それこっちのセリフだから」



これからもきっと、ずっと、何年経っても……この気持ちだけは変わらない。


大好きで仕方ない人。
ずっと、ずっとそばにいて欲しい人。



私の……私だけの愛すべき、藤井。


【E N D】
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