宙、優しい君は.

「な、何…?」

あまりにも突然過ぎて私は動転してしまった。

「こ、これはどういう意味で…!?」

しばらくの沈黙の末、春咲がこう言った。

「今日、病院行ったんだろ?結果は?」




打てないまま────なんて言いたくない。
だけど、春咲には嘘をつきたくない。

そんな事を考えていると顔がこわばってしまい、目頭が熱くなった。


「涙…。」


「春咲、あのね、打てなかった!まだ、ダメだった。
でも、何も気にしなくていいよ。春咲には関係ないから。」

そう言って切り抜けようと思ったが、手首を掴む力はますます強くなって言ってる。


「強がんなよ、俺の前では素を出していいから。
< 66 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop