七瀬クンとの恋愛事情

「………かちょうっ」

上手く声が出せない私を心配してくれる課長は優しいのに私は
こんな私のことを心配してくれて

それなのに私は……


「……いたい、です」

思い出して苦しくて仕方ない

頭でちゃんと理解してるのに、調子の悪い身体のせいでコントロール出来ない思考と涙腺が止まらないんです

『泣いてるのか?どうした、倫ちゃん』



「………ごめん…なさい…」

ぐずぐずと息を殺しても上がって引きつける声を抑え切れなくて


「ごめんなさい、かちょお…わたし、考えるって言った、のに……だめみたいです」


『……………』


なのに私はまだ自分のことばかりで寂しくて苦しくて
ずっとこんな気持ち、引きずりそうなんです


高科課長

ほんとに、ごめんなさい













結局
暫く熱が下がらず、体調を整えるのにそれから4日かかって

「いろいろありがとうございました」

「もう大丈夫か?」

その間、心配して何度もメールや電話をくれた高科課長

「万全です。すみませんでした」


それからは


「七瀬さーん、外線1番です」

あれから、相変わらず忙しそうに立ち回る七瀬くんを横目に、
同じフロアーにいながら携わる案件の違いから、存在を感じながらも言葉を交わす機会さえなく

勿論、私の部屋にも来なくなった

大丈夫
考える時間は充分あった

それから暫くして、私は高科課長への答えをだした


「高科課長、改めて私と付き合って下さい」



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