七瀬クンとの恋愛事情
番外編 弟の襲撃と策略



「誰?あんた」


今俺が開けた玄関の扉は間違いなく恋人である松原倫子の一人暮らしをしているドアのはずなのだが……?


「倫子に何か用?」


その扉から出てきたのは、背が高く俺よりも若い男で、シャワーのお湯がその適度についたシックスパットに弾いて…男の俺でも羨ましいと思うくらい

って、裸にバスタオル巻いた男?!


「お前こそ誰だよ?!」



「徹也、どうしたの?」


そんな男の後ろから俺の小さな恋人がキョトンと悪びれることなく顔を出した

どうしたの?じゃねぇよ!なんだよこれ?!
付き合ったばっかでもう浮気されてんの?俺

もしかしてこれってば、いい加減だった俺への当て付けか?


「……倫子さん」


「やだ、愁士くん今日山下君たちと飲みに行くって言ってなかった?」

いや、言いましたけど…ってか行ってきましたけど
その帰りなんですけど


この状況にその言い訳ってないんじゃない?


結局『七瀬くん』から『愁士』と呼び捨てまでは勘弁して君付けに収まった呼び方が、ここでその男を『徹也』呼びになってることも腹が立つ


「何?こいつ倫子の友達?」

しかも俺だってえっちの時ぐらいしか呼べない倫子さんへの呼び捨てまでも…


なんだよこの状況?!

最悪だ!!








「お、とうとさん…?」


「そそ、弟の松原徹也(まつばらてつや)ちょうど4月からこっちの大学に通うから借りる部屋を見にきたの。前もって言ってくれたら良かったのに、突然くるからびっくりしちゃった」


そう言われた横で堂々と座る弟を小突く倫子さん




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