七瀬クンとの恋愛事情
「騙されてる?」グイグイ迫ってくる彼に私って何?!


初めて男の子と付き合ったのは、確か
中学3年生の時だったっけ

男の子に告白されて
それがすごくドキドキして、今から思えば好きだったかどうかもわからないけど

そのすぐ後、二週間で別れてしまった

理由は、周りに冷やかされたからだ
素直になれない私は、彼を無視し続けて傷つけた

高校になると、
周りの女子たちはみんな身体も心も女の子なのに、私はこの人より小さい身長のため自分のことが好きになれずに、まともな恋愛も出来なかった

大学ではバイトと勉強に明け暮れていたっけ

だから、こんな私の人生初の恋愛はいきなりハードルの高いあの社長だけだった




ーーーーーーーーーー

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ーー


ああ………今日って
何曜日だっけ…………?


昨日は飲み会で金曜日だったから
ああっ、そうだ土曜日だぁっ

まだゆっくり寝られるーー



「いてっ」

ん?

いつもの様に背伸びしたその左手が、何か障害物に当たった


「狭いのに、思いっきり伸びないでよ倫子さん」

「…………あ、」


忘れてた
昨日、私そういえば七瀬くんが…


「おはようございます」

仰向けのまま目を見開いたその先に、まだ眠そうな声を出しながら片肘をついている七瀬くん


「お、おはよう……」

伸ばした身体は、彼からすぐに背を向け布団の中に縮こませたが、

後ろからゆっくりと伸びてきたワイシャツの腕が、私の身体を包み込み背中に彼の温かな体温を感じさせた
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