奏でるものは 〜功介〜
第14章


約束の土曜日

黒のスーツを着た。


リビングにいた親父が驚いて見てくる。

「今日は法事か?」

「いや、ちょっと友達の……」

「亡くなったのか?」

サイタのお嬢さん、って言ったら、知ってるのだろうか?


「前に……今日はタクシーで行く」

「そうか。ネクタイくらい締めていけよ」

「……じゃあ」



家の前に呼んでもらったタクシーに乗った。


< 125 / 168 >

この作品をシェア

pagetop