奏でるものは 〜功介〜


「休憩するか?」

唯歌がローテーブルを動かして、俺の膝に跨って座り、キスをしてきた。

長いキスの間に、唯歌のシャツの中に手を、入れた。

胸を触ると、ピクリとする唯歌。

キスを、終わらせて


「どうした?」


と聞くと、俺のシャツを脱がせて、肩に柔らかく歯を立てた。

「……唯歌?」


「私、コウスケが好き、なの……」


きつく抱きしめた。


「俺も唯歌が好きって、知ってたか?

あの時、わざと落としたボールペンはMVPだな」


「あれ、わざと……?」


唯歌の目が丸くなった。


「……お前と話したかったから……」

「まんまと引っ掛かったの?私」

「縁があったんだよ」

「………やっぱり、引っ掛かったんだわ」


ベッドでキスをする。



ーーやっと俺の方を見てくれたんだから、離してやらねぇよ。







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