あたしたちの恋模様

□悲しみの夏祭り

『今日心結はなにしてんのー?』



日課になっている悠貴との電話。



「今日は高校の近くでお祭りなんだー」


『へー?もしかして浴衣?』


「うん、そうだよ」



季節は夏。
高校の近くにある神社のお祭り。
一緒に行く相手はもちろんヒロ。



『へー。見てみたいな』


「その前に普段のあたしも見たことないくせに」


『ははっ。そうだよな』



毎日電話とショートメールのやり取りだけで、お互いの顔もまだ知らない。
それなのにこんなに言いたいことを言えちゃう人はいないのかもしれない。



「そろそろ行かなきゃ!」


『おう、楽しんでな』


「悠貴はリハビリ?」


『そ、この暑い中嫌んなるわー』



悠貴は毎日リハビリに通ってる。
少しずつだけど回復にはむかってるみたい。
早く大好きなサッカーができたらいいよね。



「頑張って!じゃあいってきます!」


『ありがと。じゃあな!』



スマホを巾着にしまって、部屋を出る。


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