あたしたちの恋模様
「ヒロはまだかなぁ……」



電車から降りて辺りを見渡してみるけどヒロの姿はない。



「自分は遅刻してくるんだから」



人の遅刻には機嫌が悪くなるくせに、自分の遅刻は気にしない。
それがヒロだ。

でも、もうそんなヒロに慣れてしまったから何も気にならない自分がいる。



「電話だけでもしとこうかな」



少しでも急いで欲しくてスマホを耳に当てる。



〝プルルル〟無機質な音が聞こえるだけで、ヒロの声はきこえてこない。



「電車なのかなぁ……」



電車の中では出れないから、もうすぐここに来るだろうと傍にあるベンチに腰をかける。



「ねぇねぇ、キミ可愛いねー」



知らない男の人が2人、あたしの前に立つ。



「え……」



こんなこと始めてでどうしたらいいのかわからない。



「俺らとお祭りいこうよー？」


「いや、あの……待ち合わせなの「なんか用？」



後ろからぐいっと引っ張られる感覚。


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