私の声は君だけのもの

優希の取り扱い方法

side雅人


シキは中学からずっとマネージャーとして面倒をみてきた

才能は素晴らしかったが、性格がとても扱いにくかった


中学生のときは、無表情で何を考えているか全く分からなくて大変だった


高校生になって夏音ちゃんと出会ってからは比較的、夏音ちゃんの話を持ち出せば機嫌が悪くてもどうにかできるようになった






今日は雑誌の撮影だ

いつもにも増して量が多いためかなりハードなスケジュールだ

しかも女との絡みがかなり多い
5人相手をしなくてはいけない


なのに一人目からシキの嫌いなタイプの子だった

何とか終わらせるも二人目は素人同然で、三人目は一人目同様、シキの嫌いなタイプだった


午前中に何とか三人終わらしたシキは今までにないくらい苛立っていた


休憩が終わって四人目は、シキとくっついていたいのか、わざとらしいミスが多い

もう今のシキのイライラは限界にかなり近いと察した俺は、最後の手段である夏音ちゃんへ連絡した


そうしたら、今からこのスタジオに来てくれるそうだ

後10分くらいで着くらしい


夏音ちゃんがつく前にシキが限界に達してしまい、撮影が休憩となった

シキがイライラしているから、スタジオの空気がとても重い

なのにそれに気がつかない女はシキへ必死に話しかけている


俺がさっき夏音ちゃんをここに呼んだと知っているスタッフたちは、皆で夏音ちゃんの到着を願った





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