【短】1%の可能性に想いを込めて



───私だけが知っている表情。



誰にも知られるわけにはいかない、夏輝くんの想い。





「…電話、お姉さんから?」

「ははっ、菅田はよく気付くな」




夏輝くんの乾いた笑いが教室内に響いた。





────夏輝くんの秘密。





…それは、彼が。


家族であるお姉さんを、愛してるということ。





**




それを知ったキッカケは1枚の写真だった。




「わ、私ねっ…、夏輝くんのことずっと好きで…っ」

「…ごめん、菅田」




あの日、私は勇気を出してずっと好きだった夏輝くんに想いを告げた。




結果は予想通りの玉砕。


分かっていたはずなのに泣けてくる私に、夏輝くんは言ったんだ。




「好きな人がいる」って。




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