めはくちほどに

一緒に家路につく。既にケーキの箱を持っている副社長。

他愛もない話をして家に着いた。鍵を開けるより先に、玄関の扉が開く。

「おかえり、こんばんは鷹村さん」

星子が現れた。またしても副社長のお迎えにあがったらしい。

狭い玄関に多い靴。それから、賑わっている家の中。

「あ、おかえりー」

葉苗がリビングから顔を覗かせる。手に餃子の皮を持っていた。包んでいる最中らしい。

手を洗ってリビングに入ると、お姉ちゃん、海都、葉苗の三人で餃子を包んでいる。

「おかえり。初めまして、緋咲の姉の霞です」

手を白くさせているお姉ちゃんが笑顔で迎えた。

< 63 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop