ノンストップラブ
「別れたふりをするの。できる?」

「俺にはできない。」天と地が入れ替わっても俺には無理だと思った。

「困った人ね。」誠は本当に困った顔をして俺を見た。

「頼む。誠、俺は君がいないとダメなんだ。」大真面目に言い放った。

「二枚目がそんなセリフを吐くようじゃお終いね。」

「セリフじゃない。本気だ。」俺は憤慨した。

「これは俄然面白くなってきたわ。」

「何言ってる。これは小説じゃないんだ。現実なんだぞ。」

「優、お願いだから少し黙って。」誠は何やら考え込んでいた。

俺は冷蔵庫から炭酸水のボトルをひったくって喉に流し込んだ。

それは強炭酸だったためキーンと喉が焼け

こめかみが切れそうなくらいカッとなった。

誠はそんな俺を冷ややかに眺め

俺のネクタイを緩めてベルトのバックルに手をかけた。

「何?」

「やるでしょ?」

「今?」

「そ。」

俺は誠の美しい顔をまじまじと見た。

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