ノンストップラブ
私は小学2年生の時両親を交通事故で亡くしてからは

子供がいなかった年配のおば夫婦に引き取られた。

おばには可愛がられ、旅行好きなおじからはかなりの頻度でお土産をもらった。

それは沖縄の海岸で拾った白いサンゴだったり

北海道の有名な瓶入りのマリモだったり

金沢の食べられる金粉だったり。

まだ幼かった私にはどれもこれも大切な宝物であり

両親の記憶が少ない私にとってとてつもなく貴重な目で見ることができる思い出になった。

おじは毎日コーヒーとタバコが朝食で

昼は立ち食いそば、夜のみが唯一まともな食事であった。

特に不健康な様子もなく定年になって趣味の単独旅行の回数が増した。

反しておばはインドア派でサスペンスドラマや

ミステリー本ばかりにふけっているタイプで

二人が一つ屋根の下でお互いに共有する時間は

世間一般の定年後の夫婦と比較してもかなり少ないだろうと思った。
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