わたしが小説を書くように
 それまでも、男の人とそうなることを、考えないわけではなかった。

 人並みに、デートをしたこともある。

 でも、いつもどこかで、先生のことを考え続けていた。

 先生以外のひととそうなってしまうなんて、そのひとに対しても失礼だと信じていた。


 笑ってしまうほど、少女らしい感傷。

 つまりわたしは、臆病だったのだ。


 からだを伴う恋を、恋と呼べるのだろうか。

 そんなことまで、真剣に考えていたのだから。
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