明日の自分へ、恋していますか?
悶々と考えてる時に誰かが病室に入ってきた。



医者らしき人と心配そうな顔をした中年の女の人が1人いた。


誰?


「意識が戻ったんだね。よかった。何が起きたか覚えているかい?」と医者らしき人は言った。


力無く首を振った私は答えた。


「分からない。何もかも分からない。誰?何?私にはなにも分からない」



医者らしき人は苦い顔をした。


「記憶が曖昧になってるのか?」


それを聞き、中年の女は真っ青になり固まった。

そして、恐る恐る私に聞いた。

「私が誰だか分からない?」

なんだか申し訳なく感じたので頭を下げて首を振りながら言った。

「ごめんなさい。全く分かりません。」

それを聞き女の人は泣き崩れてしまった。

「自分が誰だかわかるか?」と医者らしき人が聞いてきた。

「分からない。」


「そうか。君は桐生加奈、高校1年生だ。1週間前に事故に遭いそのまま意識がなかった。」


そうなんだ。私は事故にあったんだ。


「君の現状からすると記憶に問題が生じているね。」


「はい。」


そう答えるしかなかった。だって私は何も分からないから。


「とりあえず検査をする。少し待っててくれ。」と医者らしき人は言い病室を出て言った。


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