ドクターと甘い恋
「おかえり、奈緒。

こんにちは、嶺菜ちゃん」


「こ、こんにちは…っ。」



声が震えた。


奈緒が昼休みの間に連絡してくれていたので、聖夜先生はわたしが来ることを知っていた。

わたしをみるなり、一瞬顔色を変えたがすぐに、優しい表情をしてくれた。




「体調悪いんだって?

どんな症状か教えてくれるかな?」



読んでいた本をパタンと閉じると、椅子から降りて、わたしが座っていたカーッペットの横に座ると視線をわたしと合わせてくれた。




症状…っ。

腰が痛いし、頭も痛くて、熱っぽい。


でも、言ったら、陽向先生のところに連れていかれそうで、怖かった。



「腰の痛みが主で痣ができてて微熱だって。」



怖くて呼吸を浅く繰り返すわたしの代わりに、奈緒が答えてくれた。


奈緒…ありがと…っ。




「定期検診言ってないんだよね…?」


「……はい。」



聖夜先生の質問に頷く。



「軽い診察と熱だけ…いいかな?」



ほんとは、嫌だ。

熱があれば病院行きだし、聴診すれば喘息の発作が出たのもバレてしまう。



でも、ここまできてもう抵抗する勇気もなかった。

なにより、お休みでわたしの診察をしてくれている聖夜先生にこれ以上迷惑かけられなかった。


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