ドクターと甘い恋

*奈緒side

「……ん、」


目が覚めると、息苦しさや手のしびれはなくなっていた。


「奈緒?気がついた?」



お兄ちゃんの声を聞いた途端、嶺菜のことを思い出して涙が溢れた。



「苦しい?」



起き上がって、酸素マスクを取れば、違うお医者さんが私にそう訪ねる。


首を横に振れば、「体じゃなくて、ここ」そう言って、白衣の上から自分の心を指さしたその先生。


……だれ?



「お兄ちゃん、誰、この人」


「あぁ、精神科医の岡崎祐希先生。」



ーー精神科医。

あぁ、嶺菜から聞いたことのある名前。


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