リナリア
茶色いローファーの彼女とは、
高校二年生の冬まで続いた。



春になって
私は中学へ入学し、
兄は高校三年生になった。

彼女と別れてからも
相変わらず練習に励んでいた。
たまにサボっているところを見ているが、
私は練習している兄を見るのが
とても好きだった。


最後の大会になるから、と言って
いつも以上に張りきっていた。


わたしも中学生になって部活を始めた。
中学の部活の休みが月曜日のため、
水曜日に早く家に帰ることが
出来なくなってしまった。



今まで以上に、
兄との時間が少なくなってしまった。

寂しい、と思うようになったのは
この時だった。
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