午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
「心の侍女になれ。ノースヴァンの血は、いざという時、役立つからな。
ユースリアには、お前に全面的に協力するよう私から命じてある」

あの言葉がきっかけで、シリアはほぼ絶縁状態となっていたノースヴァンと、連絡を取るようになったのだ。



冷やしていた手をタオルで拭いながら、シリアは真っ直ぐ心を見つめる。

「……何でもありません」

相変わらず無表情のシリアに対し、心はにっこり笑う。

「じゃあお茶にしよっか!
グランが感想を教えてくださいって言ってたよ」

笑顔のまま、手際良くお茶の準備を仕上げる心。

ふと顔を上げ、首を傾げた。
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