湖都子のポエム8
この恋だけはゆずれない
忘れられればどれだけ楽だろう……
キミの存在は想像できないくらいでかい
忘れることなんてできない
ずっと引きずって……
追い詰められて
逃げ道がなくなって
出口をなくした想い
これ以上好きになっちゃダメだ
焦ってまわりが見えなくなる
キミを好きにならずにはいられない
でも……キミはもういない
でも……このままなんてイヤだ
この恋だけはゆずれない
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これから何もかもが………変わってしまう……のか?
奈緖がそばにいない生活なんて、考えられない。
彩花に「ヒロ……このままでいいの?奈緖があの子に、呼び出されたわよ。」と、言われた。このままなんて、イヤだ。
体育館裏……
「いつまでも、弘人のことをしばりつけないでよ」
「そんなこと、してない……」
「弘人をおいかけて、この高校にきたんでしょ?このストーカー女が……」
「ヒロが、ここにくるなんて知らなかった」
「嘘言ってんじゃないわよ……ストーカー女……最低……」
「ストーカーって、最低……だよな」
「そんなにがっかりしないで……私ならそんなことしないわ。弘人は、私と付き合ったほうが……」
「そうだね……」
笑顔になって……
「弘人、やっとわかってくれたのね……」
「俺みたいな……最低男……奈緖にはふさわしくないんだ……奈緖を追いかけてきたのは、俺なんだから……」
「なんで、そこまでしてこの女をかばうの?」
「もう、やめなよ。あんたが言ってた話が全部嘘だったんだね。弘人くん、奈緖ちゃん、ごめんね。ね、みんなわかったでしょ?」
「弘人くん……どっちが本当……なの?」
すんなり受け入れてもらえるなんて思ってないけど、
「これを聞けばわかるよ……」
この間の会話を携帯に録音しておいてよかった。
「絶対に別れないって言ったのは、弘人くんだったんだね。」
「そう……だよ。こんな俺だから……奈緖にふられたんだ。」
「ヒロ……違うよ。私じゃヒロにふさわしくないから」
「奈緖……俺だけの……誰にもやらない。奈緖……俺を好きになってよ……別れるなんて言わないでくれよ。この恋だけは、譲れない。」