湖都子のポエム8

本当の気持ちを隠して……


何もなかったオレ……
冷えきった心……
キミの笑顔にときめいた

本当はどうしたいんだろう……?

本当の気持ちは隠して……
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いつも1人だった。仕事で家にいない両親。でも、寂しいなんて言えなかった。

女にもてた分、男の友達はいなかった。どんな女とつきあっても、心は満たされなかった。でも、1人はいやだったんだ。付き合ってる子達は、恋じゃない。気持ちがなくても欲情するクズだった。乱れた女性関係を清算した。

しつこく言い寄る女。バイト先に乗り込んできた。

「もう別れたよな。勘違いすんなよ。ったく、しつこいな。」
「私は別れるなんて言ってない。他に女がいても、浮気しても、許してきたじゃない……」
「あのさ、お前は本命じゃない。お前が浮気相手だったんだよ……」
ま……本命もいなかったけどな……

「あんたみたいな男がいるから、泣かされる子がいるのよ。都合のいいことばっか言ってんじゃないわよ。この人に謝りなさいよ。」

「あんたが純の浮気相手なのね。純を返しなさいよ」
と、お前の代わりに怒ってくれた奈緖ちゃんをひっぱたいた。
「そいつは、何の関係もない。それにそいつには付き合ってるヤツがいる。」
「嘘言ってんじゃないわよ。」
「嘘じゃない。」
「じゃー、なんで別れなきゃいけないの?」
「うーん、ちゃんと言わないと……か。好きになれなかったから……」
「だったら、なんで寝たの……よ」
「気持ちがなくても、欲情したから……」
「ふざけんな……バカヤロー……」
そのまま、出て行った。

「俺のせいで、ごめんな……」
「なんであんなこと言ったの?嫌われるために言ったみたい……」
「あそこまで言わなかったら、きっと終わらない。今までみたいに適当に付き合ったら、彼女に申し訳ない。」
「どうしてそこまて……」
「好きな人ができたんだ。今のままじゃ、ダメだと思った。」
「じゃ、その人と付き合うの?」
「付き合わないよ。だけど、今のまま、あの子と付き合えない。付き合えないなら、徹底的に嫌われる。全部俺が悪いんだから……」
「そうだけど、あれはひどいと思う……」
「あれで、次の恋に進めるだろー」
「そうだね……私も、浮気されて別れたけど、次の恋に進めた。」
「アイツも、俺みたいなクズのことなんて早く忘れてくれれば……」

本当の気持ちは、キミには隠して……
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